こんにちは。設計の田口です。
多治見市の存在感を感じる時期が今年もまたやって来ましたね。
基本的に内勤の私が暑いなんて言っていると怒られてしまいますが、
みなさん、暑さ対策は万全にして夏を乗り切りましょう。
さて、
先日、既存住宅現況検査技術者講習に参加してきました。
既存住宅現況検査技術者とは、
そのままですが既存住宅の現状を一定の基準を元に検査する資格になります。
この検査の事をインスペクションと言っています。
講習では講義と試験があり、本日無事に資格を取得できた証の登録証が届きました。
建築士が条件なので、広和木材では
ひとまず私と梶田君で講習に参加し、二人とも無事に資格を取得する事が出来ました。
なぜ今この資格が必要なのでしょうか?
ここで少し日本の住宅事情を説明させて下さい。
日本の住宅の寿命は約30年と言われています。
様々な事情で住む事が出来なくなった家は、
次の施主へ受け継がれる事は少なく、解体されていく事がほとんどなんです。
では海外の住宅寿命はどうでしょうか。
家は基本的に1代でなく次の施主へと受け継がれ、
ドイツでは平均80年、アメリカでは平均100年、
イギリスではなんと平均140年と言われています。
もちろん、気候や地震といった環境の違いはありますがあまりにも差があります。
何千万円という費用をかけて作られているのに実に悲しい事です。
国もこうした実情を良くないと考えている様で
近年では長期優良住宅といった制度を作り、新築時から長く住める家づくりを進めてきました。
昨年からは「既存住宅インスペクション・ガイドライン」を制定し、
今回の既存住宅現況検査技術者という資格を設け
しっかりと整備されて使われてきた家を適正に判別する事で、
既存住宅にもリフォーム等で長く住む為の対策を取り、価値を認めて行こうとしています。
唐突ですが、最近、大手ハウスメーカーさんやメーカーさんの
リフォームをメインにした広告やTVコマーシャルを良く見かけませんか?
こういった背景も有り住宅業界は新築メインからリフォームにも大きく力を注いでいます。
今後、中古住宅の市場もますます活性化して行くと考えられています。
もちろん、売らなくても住み続ける事で優遇される事が色々と出来てきます。
木造住宅の20年後は価値ゼロなんて時代はもう終わろうとしています。
定期的なメンテナンスと基準をクリアする事で価値は維持されるという時代がもう直ぐやって来ます。
メンテナンスやリフォームで少しづつ自分の家の価値を守っていきましょう。
建てた住宅の価値を守る事も広和木材で取り組んで行きたいと考えています。
その為に、まずインスペクションして現状の把握をする事が大切です。
私も含め、皆さんの住宅に対する意識が変わり
多くの住宅が少しでも長く使われる時代が来て欲しいと、切に思います。