お幸せに!
営業の稲垣です。
今回は、私の姪っ子が、京都で結婚披露宴をしました際に、その披露宴会場の建物が
とても素敵だったのでご紹介致します。
会場パンフレットには、『和をモダンに取り入れたパーティ会場』との説明書きが有りました。
場所は京都、南禅寺近くの『桜鶴苑』。
数寄屋造り(※1)で、築100年のとても趣のある建物です。
(※1):数寄屋造りは安土桃山時代に、格式を重んじる書院造りから、豪華な装飾などを嫌った
茶人たちにより、格式、様式をできるだけ排除して質素ながらも、竹や杉丸太などを使用して
軽妙な設えを好み、洗練された建物が確立されました。茶室建築が代表的です。
先ず、会場に到着すると、露地を通って建物玄関へ。
山水式のお庭も主張し過ぎず、建物にとけこむように配置されていて、
なんとなく落ち着きます。(こちらのお庭は、名のある造園家の作品だそうです。)
親族控室へ向かう廊下の床板は、お手入れの行き届いた、たぶん本栂材、
天井は網代天井(※2)、建具も網代戸、壁はもちろん聚楽壁(※3)と、落ち着いた雰囲気でした。
(※2):木を薄くそいで作った板を杉皮や竹などでいろいろな模様に編んだもの。
(※3):京都、聚楽第跡地付近から産出される土を使う塗壁で、京都を代表する仕上げ用土壁。
控室の大広間は、深い軒を支える杉の磨き小丸太(※4)の垂木を表しにした、
回廊式縁側の天井が目を引きます。
(※4):現在も京都は杉丸太の産地で、北山杉、吉野杉が有名。
外観写真でも分かる様に軒の庇がとても深いのも、数寄屋建築の特徴の一つです。
また、写真では分りにくいですが、広間の木製建具の硝子はかなり波を打っています。
厚みが一定ではないのです。現在のような硝子製法技術が無い当時の硝子ではないかと思います。
あじわいが有って、これもまた良しでした。
その他にもお伝えしたい所は有りますが、建物についてのご案内は長くなりそうですので、
このくらいにさせて頂きます。
日頃、私たちが手掛けている木造の建物は、他の構造様式(鉄筋コンクリート造、鉄骨造)などに比べると、
年数を重ねるごとに、次第にあじわい深く変化し、住まう人を落ち着かせてくれるように感じました。
姪っ子達も、どうか、
これから素敵な年を重ね、今後、より絆を深くし、落ち着きある家庭を築いていってくれることを願います。
乾杯!